わー!外でたら涼しいー!
秋がきた!急に秋が来たー!
そんな風に思った。
今年の夏はずうっと暑かったから、
すこしでも涼しさを感じると嬉しく思った。
僕は小4以前の記憶が全くないから、
もしかしたら小4以前に一度行っているかもしれないけれど、
29歳の僕は、今日、人生で初めて打ち上げ花火見ることができた。
すこしだけど体力がついてきたから、
すこしの挑戦をしてみたんだ。
これからは、
すこしずつ、お出かけも楽しめるかどうか、
挑戦をしてみようと、そう思っている。
そして今日の花火は、
お付き合いをしてくださってる方とのお出かけだった。
その人とは7月にお付き合いをすることになった。
詳しいことは7月の日記に書くことになると思うけれど、
その子もADHDを抱えていて、僕と同じタイミングで疲れ、眠くなる、
そんな子で、その子といる時には僕は、なんの無理をする必要もない。
ありのままの僕でいさせてくれるその子に、
僕は心からの感謝をしている。
花火の会場までの道は人もすごい多くって、
途中で疲れてしまって、その子の調子はどうかな、
とその子の顔を見ると、疲れが見えはじめていた。
「僕も疲れちゃったし、この辺で見ることにする?」
そう言って、歩行者天国になっている道のガードレールに腰掛けることにした。
僕とその子は、打ち上げ花火を見る予定の会場までは辿りつけなかった。
だけど、無理せず途中で止まって、
打ち上げ花火の位置と方角を確認して、
ここなら見れるかもってところで、
立ち止まって座って花火を見ることにした。
そしたら、結果的にその場所は、
すごい花火を見るのにいい場所で、どんどんと人が後ろに集まってきた。
「立ち止まって、無理せず座って見ることにして正解だね。」
2人でそんなことを話して、笑った。
2人とも歩き疲れていたから、途中で買った、クランキーのチョコレートを食べて、
花火が打ちあがったら、レモンチューハイの檸檬堂の缶を開けて、乾杯をした。
眩しかったけど、
僕は途中でサングラスを外した。
この花火の色は、ちゃんと僕の目で感じていたかったから。
眩しかった。
眩しくて、鳥肌が立った。
花火の音がすると、振動が体全体を揺すった。
花火って、すごいな、思った。
僕は、生まれつき体力がなくて、みんなと同じ場所に行けなくて、
途中で立ち止まってしまうけれど、ここで見れる精一杯の景色を見よう、
そう考えたら、
素晴らしい景色は見ることができるのかもしれないな、
とそう思った。
花火は見るのも初めてで
写真もうまく撮れはしなかったけど、記憶にはとても残った。
きっと、まだ僕が知らない、感じたことがないものって、
世の中には沢山あるんだろうな。
発達障害を抱え人と関わることができず、
うつ病になり引きこもり、
他の大人達と比べて明らかに経験が不足していて、
これから何かを積み上げるには、
もう到底、みんなに間に合いはしないやと絶望していた。
けど、もう間に合わなくていいや。
僕は人からどう見えていようとも、
一生懸命に生きてきた今の僕を肯定できる。
そんな僕と関わり続けてくれる人達に感謝ができる。
それがあるから、僕はきっと幸せになれる。
まだ分からないけれど、きっとそうなんだと思う。
もう既に幸せな生活を獲得した、
そんな風にすぐに思えるわけではないけれど、
これからはそんな生活を送れるんだ、
その兆しをハッキリと感じるくらいには、
今日の花火は劇的であった。
幸せになるために必要なことは、
勝つことでも、上に行くことでも、きっとないんだろうな
そんな風に、確信をした。
僕はもうエリートにはなれない。
僕はもう「普通」にもきっとなれない。
だけど、幸せにはまだきっとなれる。
簡単ではないけれど、
諦め続けなければきっと。
「普通」の人はぞろぞろと上に向かって進み続けるのかもしれないけれど、
僕はここで立ち止まり、幸せに生きてもいいのかもしれない。
いや、立ち止まったとしても、今の僕なら、
幸せになれるのかもしれない、なんだか、今日はそう思った。
それぐらいには僕は幸せだった。
うん、僕は幸せで、楽しかった。
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