230422_全てを持っているあの子と何も持っていない僕①

かめたのコツコツ発達日記

最近、いいなー、と思っている子と何度かお出かけをしている

その子は、全てを持っていた。

大手企業で働き高い給料を稼ぎ、休みも多く時間があり、
平日には会社の社員と飲みに行き、会社の部活に3つ入り、
週末は遊びの予定で埋まっている。
両親とも、4人兄弟の4人それぞれとも仲が良く、
小学校、中学校、高校、大学とそれぞれの学校でできた友達と今でも付き合いがあり、
月に2回は旅行に行き、色んな地域の知識のある、
そんな子だった。

僕は、何も持っていなかった

お金がない、休みもなく時間もない、
友人はごく限られていて、休みの日の予定はいつも空いている。
親戚にも人見知りや緘黙を発揮してしまい、
旅行にはほとんど行ったこともなく、
記憶力もないためあらゆる知識や経験に乏しい。
そんな僕だった。

その子とは新宿の居酒屋で初めて飲み、意気投合した。
お互い日本酒が好きだということもあり、2軒目3軒目とハシゴしてお酒を飲んで回った。
緘黙症を抱えていた僕は、初めましての人が相手だとどうしてか話すことができたので、
それもあってか初めての飲みは盛り上がり、よい印象も持ってもらえたのだとは思う。

初めて会った日からその子は夜になると僕に電話をくれて、
僕もそのことが嬉しくって、毎晩睡眠時間を削って電話を受けていた。

そして、何度も何度もその子の話を聞くたびに、
あれ?この子は僕より遥かに知識や経験が豊富でないか?
あれ?この子けっこう遊んでるんだけれどいくら稼いでるんだろう?どれだけ休みがあるんだろう?
と、段々と、僕の現在の生活と、その子の現在の生活の格差を感じはじめていく。

そして、その子の送っている生活が人よりも活動的である、ことを差し引いても、
その子よりも5つも年上で、月4万円の6畳1間で暮らし、お金にも時間にも遊ぶ余裕のない僕は同年代と比べてかなり慎ましい生活を送っていたのだということを、その時に初めて知った。

知ってしまった。

全てを持っているあの子と出会ったことで、
僕は僕が何も持っていない僕であるということを知ってしまった。

会う度に、話を聞く度に惨めな思いを勝手に抱いていき、
そして同時に、
僕はなんとかして自分の生活をどうにか変えたいとつよく願うようになっていった。

この子と上手くいかなければ、きっと僕に女性との縁は2度と生まれないだろう、とも思っていたし、
こんな僕に関わろうとしてくれるあの子に、どうにかして応えたかった。

どうにかして応えたくて、
うつ症状を改善しよう、なんとかこの頭のモヤを晴らそう、失感情症を治そう、自分を変えよう、、、
そう具体的に考え動きはじめた。

変わりたい。早く変わりたい。
見限られてしまうよりも早く、どうか変わりたい。

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